オペラ 「ミスター・シンデレラ」

2017年公演ポスター
2017年公演ポスター

オペラ「ミスター・シンデレラ」 全2幕 (鹿児島オペラ協会委嘱作品)

高木達 台本 伊藤康英 作曲

 

大学でミジンコの研究をする正男と、ミツバチを研究する薫(かおる)は共働き夫婦。

正男は薫が持ち帰った女王蜂の性ホルモンを誤って飲み、潮の満ち引きに合わせて男と女が入れ替わる体になってしまう。

一方、薫は新しい農学部部長の垣内教授に心を寄せるが、垣内は女になった正男に一目惚れ。 男二人に女二人の奇妙な三角関係の結末や如何に!?

 

作品について、詳しくはこちらから 

 

楽譜オペラ「ミスター・シンデレラ」ヴォーカルスコア 

楽譜オペラ「ミスター・シンデレラ」レンタル楽譜

楽譜オペラ「ミスター・シンデレラ」メロディーブック 

楽譜オペラ「ミスター・シンデレラ」によるパラフレーズ(吹奏楽)

★初演プログラムノート★ (2001年8月)

「ある朝、オペラを振り返ったとき・・・」

 

みなさんは、オペラのメロディを口ずさむことはありますか。

モーツァルトの時代、《フィガロの結婚》がプラハで大成功を収め、町中みんなが「フィガロ」を口ずさみ、あるいは奏でていたという。また、ヴェルディの《リゴレット》の〈女心の歌〉については、初演の日にはすでにヴェルディの家の軒下で歌うものがあった、というエピソードが残されている。この手の話は枚挙に遑がない。

それは、今で言うポップ・ソングやミュージカルに近いのかもしれない。人は、娯楽として気軽にオペラ劇場に足を運んでいたのだろう。

しかるに、20世紀のオペラ、特にプッチーニやリヒャルト・シュトラウス以降のオペラには、どうにも口ずさめるものがないなあ、という気がするのです。また日本のオペラにも、そういう親しみやすいメロディがあまりない(し、それよりも、「知らざあ言って聞かせあしょう」などど、歌舞伎の名ゼリフを捻っていたほうがずっと洒落ていたりする)。

ところでオペラは、何か高尚で近寄りがたいもの、という印象を持たれることが多い。でも、オペラが最も華やかだった19世紀後半は、その時代を反映する題材が取り上げられることが多かった。《カルメン》も、スペインでの実話に基づくものであったし、《椿姫》や《ボエーム》も、ほぼ同時代を扱っている。神話や民話ばかりがオペラの専売特許ではないのだ。

そうすると、たとえば20世紀のオペラの名作は、というと、もしかしたら、《ポーギーとベス》(ガーシュウィン)とか《ウェスト・サイド・ストーリー》(バーンスタイン)とか《オペラ座の怪人》(ロイド=ウェッバー)であるのかもしれないなあ、などとも考えてみる。

 

このようにオペラについてあれやこれやと思案していたところ、演出の松本先生の勧めでオペラを書くことになった。

高木さんが面白い話を書いてくれた。メロディに載せやすい素敵な歌詞だ。

鹿児島のみんなも、公演に向けてがんばってくれている。

 

「ある朝、人生を振り返ったとき・・・」と、みんなで口ずさめるオペラが出来上がりました。

 

《ミスター・シンデレラ》作曲着手よりちょうど13ヶ月の日に (伊藤康英)

★公演記録

2001年8月25日 初演・鹿児島オペラ協会公演(鹿児島県文化センター)

2004年4月 鹿児島オペラ協会公演(鹿児島県文化センター)

2004年8月 日本オペラ協会・鹿児島オペラ協会公演(新国立劇場中劇場)

2012年3月 鹿児島オペラ協会公演(鹿児島宝山ホール)

2015年11月 国民文化祭・かごしま2015 オペラの祭典(鹿児島宝山ホール)

2017年8月 オペラ・デ・ファミーユ公演(静岡AOIホール)

2017年10月 室内楽版初演・日本オペラ協会公演 (新国立劇場小劇場)

2022年2月 日本オペラ協会(新宿文化センター)

2022年3月 鹿児島オペラ協会(霧島市民会館)