ピアノ作品

ピアノ独奏を伴う器楽作品

ショパン・ファンタジー [Pf. Band]

Title:Chopin Fantasy

作曲年月日:1994年 10月 27日
編成:Pf. Picc(Fl3rd). 2Fl. 3Ob. 3BbCl. ASax.TSax. BarSax. 3Bn. 4Hrn.
演奏時間:5:00(約)

プログラムノート  1994年10月27日作曲。1994年11月23日、アクトシティ浜松にて行われた、ショパン・フェスティバルにて初演。作曲者のピアノ、それから浜松交響吹奏楽団(=浜響吹)の団員が演奏。編成は独奏ピアノ、フルート3、オーボエ3、クラリネット3、サクソフォーン(アルト、テノール、バリトン)計3。ファゴット3、ホルン4、というウィンド・アンサンブル。浜響吹は80人を超える大所帯であるが、こうした小さなアンサンブルも見事、といわしめる立派な演奏だった。だいたい、一つのバンドで、オーボエとファゴットを3本ずつそろえることができるなんて、すごいじゃないですか。
さて、曲は、ショパン作曲の前奏曲第7番に依っている。といってピンとこない人には、某胃酸のCMの音楽、といったらお分かりでしょう。この主題による変奏曲。一応8つの変奏と主題から成っている5分弱の小品。
普通、変奏曲は、まず主題が提示され、それからおもむろに変奏されていくのだが、特にこの主題の場合、それをやってしまうと、手の内、見えたり、てな感じになってしまうので、まず変奏からいきなり始まる。それも、ひねくれた変奏ばかり作った。つまり、冒頭は、木管が確かに某胃酸CMの音楽のメロディを演奏しているのだが、独奏ピアノがショパンの練習曲作品10の1を演奏するものだから、聴いている人は、はて何の変奏だろう、とはぐらかされてしまうのである。ほかにも、多数のショパン作品を引用、ますます、何の変奏か分からなくしている。
で、最後に、原曲通り、ピアノが主題を弾いて種明かし、というわけ。
初演データ (初演日)1994年11月23日
(初演者)伊藤康英(Pf.)浜松交響吹奏楽団
(初演場所)「ショパン・フェスティバル」アクトシティ大ホール
委嘱者 ショパン・フェスティバル
備考 編成:pf solo、3fl、3ob、3cl、3sax、3fg、4hrn。ショパン作曲、前奏曲第7番による変奏曲。
ピアノ・コンチェルティーノ [Pf. Band]

副題:1.ブラック・コーヒー・ソナタ 2.チョコレート・ダモーレ 3.ホワイトデイ・サンバ
Title:Concertino for piano and band 1.Black-Coffee-Sonata 2.Cioccolata d'amore 3.White-day- Samba
Subtitle:1. Black-Coffee-Sonata 2. Cioccolata d'more 3. White-Day-Samba

作曲年月日:2007年
編成:Solo-Pf. Fl. Picc. Ob. Bn. BbCl. B-Cl. Alt.Sax. Ten.Sax. Bar.Sax. Hrn. BbTrp. Trb. Euph. Tub. Cb. Timp. Perc. Xylo.
演奏時間:13:00(約)

出版社:イトーミュージック / ブレーン
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1. Black-Coffee-Sonata
2. Cioccolata d'more
3. White-Day-Samba
初演データ (初演日)2007年12月1日
(初演者)Special C-wind "Wish"(洗足1年生有志)、伊藤康英ピアノ
(初演場所)川崎多摩市民館
備考 Band Journal 2007年9月号、12月号、2008年3月号付録
ラプソディ・イン・ブルー (ガーシュウィン作曲) [Pf. Band]

副題:初演のジャズバンド版に基づく吹奏楽用編曲
Title:Rhapsody in Blue (by G. Gershwin)

原作者:George Gershwin
作曲年月日:1998年
編成:SoloPf. 3Fl. Ob. SoloCl. 4Cl. Bas.Cl. Sop.Sax. AltoSax. Ten.Sax.Bar.Sax. 3Hrn. 2Trp. 3Trb. Euph. Tub. Cb. Perc.

プログラムノート 「この編曲について」
  1924年2月に初演されたこの曲は、ホワイトマン・バンドの委嘱によるものだった。わずかに2週間ほどでガーシュウィンは2台ピアノのために作曲。それをグローフェ(1892-1972)がオーケストレーションを施した。そのときの編成は次のとおり。
  
  8人のヴァイオリン、コントラバス、3人の木管奏者(①Bbクラリネット、バス・クラリネット、オーボエ、ソプラノとアルト・サクソフォーン持替、②アルト、ソプラノ、バリトン・サクソフォーン持替、③テナー、ソプラノ・サクソフォーン持替)、トランペット2、トロンボーン2、ホルン2、チューバ、ティンパニ、打楽器、バンジョー、チェレスタ、ピアノ(独奏以外にもう一台)。
 
  その後1926年にグローフェはオーケストラへ編曲。また37年には吹奏楽に編曲。これは、吹奏楽での演奏に際して通常用いられている楽譜で、実際にはアメリカの大編成用のバンド向きの編曲(ピアノ無し)となっている。そして、ガーシュウィンの死後、1942年にグローフェは再度オーケストラへ編曲した。これが現在通常にきかれる演奏である。
  この曲の度重なる編曲により、あるいは演奏を重ねるうちに、原曲の姿が少しずつ変わっていったことは否めない。
  たしかにオーケストラに編曲されることでこの曲は、立派に「クラシック」の仲間入りを果たすことができ、20世紀の「クラシック」の重要なレパートリーとなった。しかし、この曲の現在しばしば聴かれる演奏が、あまりに「クラシックのピアノ協奏曲」然としては居過ぎないか。
  これが、私がこの編曲を新たに作った最大の理由である。

  初演のジャズバンド版の、グローフェによる手書きファクシミリ譜が出版されているが、これには、とにかく初演に間に合わせるための徹底的な省略記号の使用や書きなぐり、書法の細部の不統一がみられる。グローフェは、初演に際して気掛かりだったところ、あるいは演奏を重ねるたびに生じた演奏上のニュアンスなどをスコアに書き入れ、それを編曲のたびに楽譜に固定したのだろう。そのために、音楽に表現力の深さは感じられるようになったが、しかしその一方で、初演に向けてとにかくスコアを書き飛ばしていった、あのエネルギーが失われてしまった。
  ちなみに、この曲の演奏は、現在では18分余りかかることになっているが、ガーシュウィンの演奏は、概ね15分程度である。

  この版は、ジャズバンドのためにグローフェが最初にオーケストレーションした手書きファクシミリをもとに、いくつかの明らかな誤りを直し、加えて、私自身の演奏へのアイディアをいくつか加えたものである。スコア中の[]書きの指示は、現在の管弦楽版によるもの。その違いも確かめつつ、新たな、そして最もオリジナルに近い《ラプソディ・イン・ブルー》の姿を見つめてほしい。
  また、演奏に際しては、市販されているジャズバンド版による演奏を聴かれることをお薦めする。
  なお、一言付け加えるに、オーケストラでの演奏よりも、この版での演奏の方が、よりオリジナルに近いものである。 (伊藤康英)
  
  
初演データ (初演日)1998年12月13日
(初演者)薔薇崇師ウインドシンフォニー、伊藤康英(Pf.)、塩谷晋平指揮(江戸川区総合文化センター)
備考
CDタイトル:交響詩「時の逝く」 伊藤康英吹奏楽作品集
レーベル・CD番号:CAFUA RECORDS(CACG0015)
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ピアノと吹奏楽のための《琉球幻想曲》

Title:Ryukuan Fantasy, for Piano and Band

作曲年月日:1999年 03月 03日
演奏時間:5:00(約)

出版社:イトーミュージック / ブレーン
楽譜備考:?レンタル楽譜
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プログラムノート  ピアノのアンサンブルというものは、時に打楽器的な色彩を持ち合わせるが、この、NTT東日本東京吹奏楽団の依頼で作った「ピアノと吹奏楽」版もまた、そうした色彩をうまく表すことができたなあ、と自分でも気に入っている。
初演データ (初演日)1999年05月14日
(初演者)伊藤康英(pf)・NTT東日本東京吹奏楽団 指揮:山田昌弘(日本初演)。伊藤康英(pf&指揮)・天方吹奏楽団(アメリカ初演)
委嘱者 NTT東日本東京吹奏楽団
備考 原曲は2台ピアノ8手連弾。他に、2台ピアノ版、1台ピアノ版、ヴァイオリンとピアノ版、ピアノ独奏版、ソプラノ・サクソフォーンとピアノ版、ピアノ七重奏版、(弦5部、打楽器、ピアノ)、ピアノ六重奏版(弦5部、ピアノ)、ヴァイオリンとサクソフォーン四重奏とピアノ版(ヴァイオリンはオプション)、サクソフォーン四重奏版あり。
CDタイトル:交響詩「時の逝く」 伊藤康英吹奏楽作品集
レーベル・CD番号:CAFUA RECORDS(CACG0015)
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CDタイトル:忠臣蔵異聞
レーベル・CD番号:CACG-0106
CD備考:
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