オペラ「ある水筒の物語」
台本・演出:高木達 作曲:伊藤康英
指揮:大井剛史
日時:2019年5月31日(金)①13:00開演 ②19:00開演
6月1日(土)③13:00開演
会場:静岡グランシップ 中ホール(JR東静岡駅)
チケット:S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円
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オペラ「ある水筒の物語」について
太平洋戦争末期の静岡大空襲の際、2機のB29が空中衝突して墜落し、アメリカ兵23名が命を落としました。焼け焦げて、手の形が刻まれた水筒だけが遺品として残されました。
戦後、僧侶の伊藤福松氏が「死んでしまえば、敵も味方もない」と言って、墜落死したアメリカの搭乗員のために慰霊碑を建てました。医師・菅野寛也氏がその志を引き継ぎ、アメリカ兵ならきっと好きだろうと、バーボン・ウィスキーをこの水筒に満たし、毎年12月8日にはハワイに出かけて真珠湾の慰霊祭にも参加しています。
菅野医師がNHKラジオ深夜便で語った「真珠湾・たったひとりの慰霊祭」に感銘を受け、音楽作品に作り上げたいと提案したところ、静岡の音楽家など多くの関係者が立ち上がってくれて「オペラ」として作品化することとなりました。
台本は「ミスター・シンデレラ」の台本作家・高木達氏に依頼。鹿児島オペラ協会の委嘱による作品で、私のオペラ作品の中でも上演回数が多く、日本オペラ協会でも2004年、2017年と上演され、好評を博しています。
このオペラの第一幕「晩祷」では、戦時下に生きるさまざまな人間模様が描かれます。第二幕「朝祷」は、水筒を平和の武器に、慰霊祭を繰り広げることでの死者たちの鎮魂が描かれます。
「慰霊、追悼なくして平和は語れない」と語る菅野氏の言葉から、平和への糸口が見えるかもしれません。
(伊藤康英)